各ユニットの説明と回路図

 このシステムのメインコントローラであるマイコン基板です。未だ、ソフトウェアやハードウェアの変更箇所も沢山でてくると思いますので、今回は専用の基板を作成しないでSofTech社製のMC9S08GB60と言うFreeScale社製Flash-ROMマイコンの評価ボードを使用しています。MC9S08GB60は8bitマイクロコントローラ(マイコン)ですが60KBのFlash-ROM、4KBのRAM、PWMタイマ、10bitADコンバータ等を内蔵した大変使いやすいマイコンです。64ピンQFPでI/Oの数も充分です。動作速度も最速40MHzと高速で今回のような鉄道模型用のコントローラを制御するのには最適です。
 何よりも、このマイコンはマイコンチップの中に、内部RAM/ROMの状態やレジスタの状態を書いたり読んだり、プログラムの実行を制御する為の機能を内蔵していますので(On-Chipデバッグ・モード)、下の写真のように大変安価なインタフェース基板でPCと繋げることにより、簡単にソフトウェアの開発、検証が行えます。ソフトウェアの開発はこの評価ボードに無料で付いてくる、FreeScale社 メトロワークス 
CodeWarrior というマイコンのソフトウェア開発ツールをPCにインストールして使用しています。基板中央部にあるマイコンのI/Oピンからのコネクタヘッダに各ユニットからのワイヤを接続しています。

 メトロワークス CodeWarrior 08 の画面です。
 今回は私としては初めて
Cコンパイラを使って見ました。
 上はソースファイルの編集、コンパイル、リンクをするところです。最初はコンパイル/リンクエラーが沢山出て面食らいましたが。エキスパートの方に教えてもらって何とか使えるようになりました。
 下はデバッグ画面です。Cのソースレベルで、トレース(1ステップ実行)、ブレーク等が可能です。もちろん、この画面からマイコンの内蔵RAMやレジスタ値の参照や書き換えが可能です。現在 使用している 
CodeWarrior 08 は無料お試し版ですが30KBまでのアプリケーション・コードが作成可能です。当分の間、私にとっては充分かなと思います。

 メインのマイクロコントローラ MC9S08GB60部分の回路図です。BDM(Back-Ground-Debug-Mode)というコネクタが実機でのソフトウェアデバッグ用の端子です。このマイコンの動作電圧は3.3Vなので5V→3.3Vのレギュレータを使用しています。現在の動作クロックはX'tal発振モードの16MHzです。このマイコンは内部(オンチップ)発振器を持っています。時間制御がラフでよければ、外付けのX'tal(水晶)発振器を省略することもできます。

 マイコンによる3×3 9個のスィッチの読み込み回路です。マトリクス・スキャン方式を採用しています。現在の装置ではこれらのスィッチは8個がポイント切換用、1個がスロットルの速度カーブ設定用に使用しています。 左上のコネクタはシリアル通信・ネットワーク用です。上の回路では全二重通信対応ですが、実際のシステムでは半二重通信にして、通信ラインのワイヤを1本にする予定です。このシリアル通信・ネットワークがこのシステムの基幹にまります。

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